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お口の体操で肺炎予防を
岩永歯科医院、歯科衛生士の原田です。
今日は、高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防についてお話します。
ご自身や、介護されている方が
・食事が飲み込みにくくなった
・食事中、疲れて最後まで食べきれない
・食事中にむせ込む、唾液でむせ込む
といったことはないでしょうか?
これらの症状は、「嚥下障害」といい、
口の中のものを飲み込んで胃に送る、すなわち、飲み込む動作が上手くできない状態のことを言います。
原因は、
●器質的原因
●心理的原因
その中でも今日は、
●機能的原因
について詳しくお話します。
器官の構造そのものには問題がなく、それらを動かす筋肉や神経に問題があって嚥下機能が衰えるケースです。
加齢や寝たきり、病気により咀嚼や嚥下に必要な筋力が衰えるのも、機能的原因の一つです。
筋力が低下すると飲み込むときに気道を閉じることができなくなり、食べ物が気管に入りやすくなります。
この弱ってしまった筋肉を鍛えてあげることで誤嚥性肺炎の予防や再発防止に繋がります。
この筋トレのようなことを、
「間接的機能訓練」
といい、
食べ物を使わない舌や口のトレーニングで、咀嚼と嚥下の機能を回復させます。ご自身でやったり介護者にやってもらったりすることで、お口の周りの筋肉を鍛え、飲み込む力を強くします。
様々な訓練方法がありますが、その中から少し例をあげますと
このようにお口を動かし、舌先の筋肉を動かしたり、
このようにお顔全体を動かしたり、肩を動かしたりと、様々です。
これらを行うことにより、予防に繋がっていきます。
私は以前、病院に勤務して肺炎患者さんの口腔ケアを行っていました。
肺炎を繰り返してしまう方には、言語聴覚士さんとリハビリに入ることも多くありました。
その中で感じたのは、
・口腔ケアでお口の中の細菌を減らす
・再発防止のため、その方のお口の周りの筋肉を増やす
この2つが、誤嚥性肺炎の予防や再発防止に繋がるのだと実感しました。
自身の経験を、検診や往診の際に活かし、予防のお伝いができたらと思っております。
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