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抜く必要ある?親知らずに関して
こんにちは、院長の岩永です。今回は、親知らずに関して話したいと思います。
現在、コロナ禍で大学病院も受診制限をしている影響か、多くの方が親知らずを抜歯したいと来院されます。
患者さんから、「大変では?親知らずを抜くと痛い、腫れるのでは?」と質問されますが、これは性質(骨の硬さ、歯の硬さ)、状態(炎症がないか、歯根の数、弯曲度)、場所(神経に近くないか)によって全く異なるものです。
例えば、上顎の埋伏していない親知らずだと、麻酔時間をいれても約10分で抜歯可能なケースが多いです。ほとんど腫れることもなく、痛み止めを飲まなかったとおっしゃる方もいらっしゃいます。反対に、下顎で埋伏している親知らずですと、歯肉剥離、骨削除、歯冠歯根分割などを行いますので、時間もかかりますし術後は、腫れたり痛みがでます。大学病院で抜歯する歯はほとんどがこの下顎の埋伏歯です。
下顎埋伏歯の症例イラストがあるのでご紹介いたします。
様々なケースがある中で、classⅠ~Ⅲは歯冠の埋伏深度が同じで、下歯槽神経との距離で区別されています。勿論、Ⅲが大変なことを申し上げることもないとおもいますが、この場合は必ずCT撮影をし、神経との位置関係を把握することが必要です。次にpositionA~Cは、埋伏歯の深度で区別されています。隣の歯が同じ位置にあると仮定して、深くなるほど抜歯は困難になってきます。positionB,CはCTが必要で、歯槽骨を大きく削除します。(かなり腫れます、術後の痛みも長いです、positionCに関しては症状がなければリスクがあるので抜歯しない方がいいです。)他にも、多種多様な状況があります。
このように親知らずは、人によって生え方が全く違うので、全然痛くなかったとか、腫れなかったなど他人の情報は参考になりません。まずは歯医者さん(できれば口腔外科出身の先生)を受診し、レントゲンを撮りどのうような状態になっているかを確認し、説明を受けることがご自身の親知らずを理解できる適切な方法だと思います。
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