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なるべく神経(歯髄)を取らないようにする手法
こんにちは院長の岩永です。今回は、なるべく神経を取らないようにする工夫について話したいと思います。
虫歯が大きくなると、歯髄が炎症を起こし眠れないほど痛くなることがあります。この時は、神経を取らないと痛みは引いてきません。しかし、稀に、虫歯が大きくとも痛みがないときがあります。このとき、歯科医師は、今まで痛みがなかったかもしれないが、治療することによって痛みが出てしまい神経を除去する可能性があることを説明します。患者さんに同意を得てから治療しますが、ガンガン削るのではなく、なるべく歯髄に刺激を与えないように繊細に削るよう細心の注意を心がけます。
私がしている工夫として
①タービン(高速回転切削機械)を用いない
②5倍速(タービンよりも回転数が少ない)を用いる
③次亜塩素酸、過酸化水素水、エキスカベータ(手用の虫歯除去器具)を用いる
④深い窩洞に対応したセメントを用いる
①はタービンを歯髄近くでもちいると、摩擦熱が強く刺激するため、痛みが出てしまう可能性が高くなります。
②は、タービンより低速回転で削るので、摩擦熱を抑えられます。
③は、次亜塩素酸で有機質(虫歯で軟かくなっている部分)を溶かし、過酸化水素水で殺菌します。時間はかかり ますが痛みが出にくい手法です。
④水酸化カルシウム系のセメントを用いると予後がいいです。
③、④は本来ならば、自費治療とし扱う治療法ですが保険治療でおこなっております。3mix法などは、虫歯を残して薬で進行を止めますが、大臼歯など強く咬合力がかかるところは割れてしまうのであまり有効な治療とはいえません。
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