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抜歯など手術後の歯磨き
こんにちは。歯科助手の三浦です。
抜歯やインプラント、歯周外科など
口腔内の外科手術をされた患者さんから「歯磨きは普通にしていいんですか?」
と、質問をお受けすることがあります。
そこで今回は〈手術後の歯磨きについて〉お話したいと思います。
手術後の歯肉はとても敏感で出血しやすい状態です。
やわらかい歯ブラシで優しく磨くようにしましょう。
当医院でおすすめしているのが〈インプラントケアUS〉という歯ブラシです。
商品名は“インプラントケア”となっていますが、インプラントだけに限らず、
外科的な治療をした皆さんにおすすめです!
ブラシの毛がやわらかく、長めの植毛で、術後のデリケートな歯肉、隣在歯のケアに適した歯ブラシです。
歯磨き粉は〈システマSPTジェル〉をおすすめします。
殺菌効果が高く、歯肉の炎症抑制作用もあり、
ジェル状なので歯周ポケットに成分が留まりやすく歯肉も痛めません。重度の歯周病の方にもおすすめしている歯磨き粉です。
◎うがいについて
抜歯後は口の中が血の味がしたり、気持ち悪くてうがいをしたくなるとおもいます。
私も経験があるのでお気持ちはよくわかります。
しかし強いうがいを何度もしてしまうと
抜歯後の傷口のふたの役目をしている血の塊が流れてしまい、
術後の治りが悪くなってしまうため、
抜歯直後のうがいは、軽めにするようにしましょう。その際、殺菌効果の高いうがい薬を使うと、抜歯創の感染予防になります。
手術後、わからないことや心配事がございましたら、遠慮なくおたずねくださいね。 -
なかなか治らない抜歯後のドライソケット
こんにちは、院長の岩永です。今回はドライソケットに関してお話ししたいと思います。
例えば、歯を抜いた後に通常なら抜歯窩に血餅ができ、骨の露出を防いでくれます。しかし、ドライソケットになりますと血餅ができず骨の表面が常時露出するため、お水や風など低刺激でも痛みを伴います。最初は、抜歯したことによる痛みで区別はできないのですが、あまり痛くなかったのに後から痛くなってきたときはドライソケットを疑います。
血餅ができない原因として
①うがいのし過ぎで血が流れてしまった
②煙草を吸う
③他の疾患が原因、あるいはもともと血が止まりにくい体質
④抜歯したときにあまり出血しなかった
①から④の予防として
①’あまり血が出るからといってうがいをし過ぎない
②’抜歯後、1週間ほど禁煙する
③’循環器内科で検査する 今後、抜歯するときは、歯科医に報告する
④’再生療法(CGF)を考慮する
④’の再生療法について
遠心分離機416G
患者さまから採血をして、遠心分離機で血液成分を分離してCGFという治癒を促進する成分を抽出し、親知らず、インプラント、歯周外科治療時の骨再生などに用います。
この遠心分離機416Gで作り出すCGF(再生ゲル)により、骨や歯ぐきの治癒を早める効果が期待できます。
この黄色いゲル単体で、歯ぐきや骨にあてがった後に縫合したり、骨補填材に混ぜたりして使います。患者さんご自身の血液から生成されるものなので、人工の材料よりも安全性が高く、骨が出来るのをより早めたり、傷口の治りをより早めたりする効果が期待できます。
このCGFによる再生療法に関しては、歯科医師による診査・診断で使い分けを行っております。
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抜く必要ある?親知らずに関して
こんにちは、院長の岩永です。今回は、親知らずに関して話したいと思います。
現在、コロナ禍で大学病院も受診制限をしている影響か、多くの方が親知らずを抜歯したいと来院されます。
患者さんから、「大変では?親知らずを抜くと痛い、腫れるのでは?」と質問されますが、これは性質(骨の硬さ、歯の硬さ)、状態(炎症がないか、歯根の数、弯曲度)、場所(神経に近くないか)によって全く異なるものです。
例えば、上顎の埋伏していない親知らずだと、麻酔時間をいれても約10分で抜歯可能なケースが多いです。ほとんど腫れることもなく、痛み止めを飲まなかったとおっしゃる方もいらっしゃいます。反対に、下顎で埋伏している親知らずですと、歯肉剥離、骨削除、歯冠歯根分割などを行いますので、時間もかかりますし術後は、腫れたり痛みがでます。大学病院で抜歯する歯はほとんどがこの下顎の埋伏歯です。
下顎埋伏歯の症例イラストがあるのでご紹介いたします。
様々なケースがある中で、classⅠ~Ⅲは歯冠の埋伏深度が同じで、下歯槽神経との距離で区別されています。勿論、Ⅲが大変なことを申し上げることもないとおもいますが、この場合は必ずCT撮影をし、神経との位置関係を把握することが必要です。次にpositionA~Cは、埋伏歯の深度で区別されています。隣の歯が同じ位置にあると仮定して、深くなるほど抜歯は困難になってきます。positionB,CはCTが必要で、歯槽骨を大きく削除します。(かなり腫れます、術後の痛みも長いです、positionCに関しては症状がなければリスクがあるので抜歯しない方がいいです。)他にも、多種多様な状況があります。
このように親知らずは、人によって生え方が全く違うので、全然痛くなかったとか、腫れなかったなど他人の情報は参考になりません。まずは歯医者さん(できれば口腔外科出身の先生)を受診し、レントゲンを撮りどのうような状態になっているかを確認し、説明を受けることがご自身の親知らずを理解できる適切な方法だと思います。
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親知らず
今回は、親知らずに関して書きたいと思います。
親知らずは、第3大臼歯で20歳前に生えてきます。しかし、経験上9割の人は生え方に問題が起きています。イラスト写真のように、多くの方が横になって生えており、それによって虫歯や歯周病、歯並びの乱れが起きています。このような症状がある場合、あるいは今後起きそうな場合は、早めに抜いたほうが良いです。年をとるにつれて骨硬化が起こり、歯が抜きづらくなりますし、歯周病で骨吸収が起きると、骨は元には戻らなく腫れやすくなります。結果、第2大臼歯も失う可能性が高くなります。しかし、次のイラスト写真のような場合、抜くかどうかを考えることもあります。
もともと下顎の親知らずは、下歯槽神経に近いところにありますのでレントゲン写真(2次元)をみて、親知らずの根の先と重なって見えることがあります。このような場合はCT(3次元)で再度確認します。CTをみても完全に重なっている場合は、抜くのをやめるかまたは2回法(歯根部は数ヶ月後に抜歯)をおこないます。
以上のように、親知らずはまっすぐ生えていないとあまり役にたちません。しかし、例外もあり、まっすぐ生えてなくても異常な症状がなければ、ブリッジの支歯や移植歯として使えることもありますので、お手入れはしっかりしておきましょう。
親知らず